How to Surmount the Earth
Thu.05.21.2026

宴もたけなわではございますが…
Long Sleeve Tee、High Waist TrousersとMars、MANHOLEを横断しながら紹介させて頂きましたNiccolò Pasqualetti EARTHシリーズが惜しまれつつもこの度、フィナーレを迎えます。
なんらかの地表みたいな柄に染められた100%リネンの生地で統一されたトップス、トラウザーズ、ショーツ。人呼んでEARTHシリーズ。迷彩のようで迷彩ではない、時として邪魔になる意味や由来、それがない柄物。
どこか冷たく、ずっしり重みのある生地。軽やかなリネンファブリックでも重々しいリネンキャンバスでもない、特別な雰囲気。
NICCOPASaurus(スクロールしてくださいね)中の人としても、体全体を上から覆うような着応えと、類を見ない着心地の快活さとの両立にはブランドについて度々取り沙汰されるアンドロジニーの一端を見た気がしてなりません。
ニコパのEARTH、最終章第三幕を華々しく飾るグルカショーツのおでましだい!
降るならもっと、降らぬなら降らぬでよいのだわい!!!
全人類の悲願、雨の超克をかくも易々と…!
そこにシビれる!あこがれるゥ!
「どこで寝たっていいんだぜ、お前がいる場所からがEARTHなのだから…。」
そう言わんばかりの服っていうシリーズへの印象をひっくり返すようなフットワークを持つグルカショーツ。
履いた時はシビれましたね!

「グルカショーツ」という名前ではありますが、グルカショーツの特徴を捉えている部分は48cmもの広い裾幅くらいでしょうか。熱帯でも着ることの出来る生地、加えてその裾広がりな形からそう名付けたのかもしれません。
スカートのようなトラウザー、スカートトラウザーを作ったデザイナー:Niccolò Pasqualetti。
このグルカショーツも「ショーツのようなスカート」「スカートのようなショーツ」だと言えるでしょう。
しっかりしたウェストゴムは最後、左サイドジップの引き上げによって締められる仕様。
キュッとしまったウエストから裾口に向かって広がるシルエットは裾内側に設られたヘムが芯となり、その広がりを見事に固定させます。つまり、特別なリネン生地はこのショーツの特徴的な形にも存分に活かされている。

勾配の険しい山がトップスから降りてくるかのようなゲシュタルトは実は、棒立ちで静止している時にこそ頭角を表します。
いかんせん着る者を動的に煽るパンツですので、9割5分動いて頂いて、残り5分で形の良さをお楽しみください…。

EARTHシリーズこれにておしまい、全三編を通して私が抱いたのは…
この洋服はNiccolò Pasqualettiによる戯曲なんだということ。
それに対して傾聴、鑑賞することしかできないのかと思いきや、最後にはそれを着たり、似合ったりと、上演することが私たちには用意されている。
それがデザイナーズブランドの、そして被服の美しさであり、今はそれが楽しいと感じています。
簡単に書くと、たけー!けど欲しいー!穿いてみたいー!と思わされちゃいました、素直に。



最後になりますが、河上さんが「既に家にあるものをただ組み合わせるだけで、十分楽しめる洋服だ。この人の洋服はいつもそう。特徴はあるのにごちゃごちゃしていなくていい」と、このEARTHシリーズを、Niccolò Pasqualettiを形容していました。
難解なデザインで人を突き放すのではなく、自分自身のバランスで人を惹きつけるデザイナー:Niccolò Pasqualetti。

