Being Stealth

Thu.05.21.2026

コマンドセーターから、コマンドセーターの特徴である肩や肘の補強パッチをそぎ落としミニマルな佇まいニット“Stealth”
(イタリック表記箇所はk8.0 on 公式からの引用)

 

 

さしあたりk8.0より、「Stealth」のお届けがありました。着る人のエルボーシェイプが直に反映されたらそのニットにエルボーパッチはないと考えたほうがいいでしょう。

 

そんな「そぎ落とし」に対して規律良い肘窩(ひじのうら)あたりの波うちがセーターたるものの厚みや、印象の柔らかさを把持し続ける神妙なバランス。ウール80%、カシミア10%に同じく10%のシルクという美しい配合がここにあります。
やや奇妙に聞こえるかもしれませんがブランドによるならこの配合は、「気配を消す」ことへの寄与のひとつだといいます。

 

Stealth/ステルス/隠密さ。
ステルスUAVからステルス値上げに至るまでと周知のようにこの接頭辞(名詞)の用法は多岐に渡り、この世の中にあるひとつの衣服のタイトルを冠するまでに至りました。

 

「遠くからでもわかる」くらいの存在感が必ずしもその洋服の良し悪しの評定には関わらないにせよ、たとえば着る人に新しく「目立つこと」を前向きに考えさせる何かが備わっているなどの条件次第で、それはそれで良いと考えられるようになると思います。
その道理に従うなら、判りづらさや「遠くからではわからない」ことがその伝統の中で往年晒されていたような評定とは真逆の評定、つまり誰にも振り向かれず、その気配消したままで”なくてはならない”という状況。それらも条件次第で必ず生起してくるはず。(…)

 

 

研ぎ澄まされたミニマルは、誰にも振り向かれない確かな痕跡をまとう。肩の補強パッチがあった、少なくともあって不思議のないような場所に、確かな痕跡が残っています。

 

 

現状ではショルダーパッチがあった証拠としては扱えないにしても、それが「あった/なかった」についての議論を呼ぶ大きな契機となっている。
正規のミリタリー品のように、普通にパッチが取り付けられたままのコマンドセーターにおいて、僕達はそのパッチの存在について深く考えることをしないのに!です。
われわれの共同夢であるSeinは察するに、不在の中に現れます。スリーブとボディがちょうど肩の頂点でぶつかることにより生地が立ち、ソリッドな肩周りが演出されています。
丸っこくポコポコとしたキュートなネックがすかさず顔を覗かせ、再び話はバランスへ____。

 

 

ぺろんと捲れ上がった裾端はどうしてかエッジが効いている。これまた神妙な…。

 

 

車の鍵を閉めるところまでは一緒だったのに、彼とはぐれてしまいました。
仕方がないので目的地であったMarsへ歩を進めた。

彼は一言も発することさえなかったが「また摺り足忍び足で!」という台詞を僕はその喉元で飲み込むことにした。

 

つまり彼が”Stealth”を着ているってことを僕が失念していたこと、そして彼の見事なBeing Stealthの成功に僕が気づいたこと、このふたつの出来事を迎えるためにはまず、自身の胸を自身の手でもって撫で下ろしてやることの方が先決に感じられたためである。

 

 

“k.80” – K8.0 on Stealth –
SIZE : ONE SIZE
COLOR : BLACK
¥45,000-(tax included)