センキュー
Thu.05.21.2026
「我に返って考えてみるとなんだか変な形だなあ」などと思うにはじまり、
「もしかして意外と手小さい?」
「そやねん」
「比べてみよ!(しまっていた手のひらを僕の方に向ける)」
「やです…。」
「えー何でよー」
なんていたいけなやり取りから、
この季節の乾燥、自身の老いを同時に知るためにある’あか切れ’と、
間身体性 intercorporéité の議論を一旦斥けようとも個人的には、この”手”なるものの枢要さは何度でも確認しておきたいところ。
自分の膝や腹に顔、そしてそれ以外のいずれもの景色やその他について、「自身の手のひらや手の甲以上に見てきた存在者」として扱うことは難しいのですから…。
まあ、長い付き合いってことですね!
そうです!Marsとしてはロングランにご紹介してまいりましたPOST ARCHIVE FACTION 25AWも、とどのつまり長い付き合いなわけです。
満を持して!
”POST ARCHIVE FACTION” – Tabi Gloves –
COLOR : BLACK
SIZE : ONESIZE
¥38,500-(tax included)
邦訳するなら「足袋手袋」ってことですから、「字面から伝わるこのPAFの遊戯性が…」とかなんとかと走り書いてしまいそうになります。
ところが、”長い付き合い”でわかるのですが、おそらくPAFにそういう計らいはないうえに、足袋と手袋がそもそも対の関係にあるわけではないので踏みとどまりました。
POST ARCHIVE FACTIONの注力するところはあくまで物としての作り込みであって、政治性やコンセプトでは案外ありません。
ラフなネーミングも、随意的な制作のためならかえって清々しい。

二手に分かれる形状が「タビ」の要点なら、ミトンタイプのグローブや鍋つかみまでもがTEAM Tabi Glovesのメンバーとなりかねないので、そうではありません。
変わったジップラインが特色のPAF。
それがTabi Glovesにおいては「人差し指と中指(手のひら側)の間〜外側のくるぶし」にわたって伸びています。
ジップがあるということは、その部分を開くことができます。
タビ性 Tabity
どんな物事にも多かれ少なかれのTabityがあります。
指先に設られたジップのオープン/クローズによって花ひらくタビグローブのタビ性が、時を跨いで本来の足袋がもっていた用の美へと再帰したかのような印象。
足袋を踏襲したブーツやスニーカーが足袋以上に機能的である必要はありませんが、新たに手袋にとっての有用性が「タビ」の中にあることを発見したPAF。
先述したような比類なき枢要性とは裏腹に、首元や顔まわりと同じように外気に晒され続ける「手」の窮状はまさに窮状であってそれを文化の瑕疵だと考えつつも、いざ停めた自転車の前まで来てダイアルロックを解除する局面では「参りました」と効き手にはめた手袋を根本から外しては用事(素手でダイアルを回すこと)を済ませ、再び鞘から矛を抜きつつ自転車に乗り、為政者が何だとかの妄言をつぶやきながら帰宅することを繰り返す身分からTabi Glovesに対して言える台詞は、そう多くない。
つまり、表題の通りである。
相手が自転車では、画としては役不足なTabi Gloves。
てなわけで以下、Vroom! Vroom!

旅グローブとか、Tubby(King)グローブとか、度々グローブとか、言おうとしていたことはもっとたくさんあった(なさそう)はずなのですが、重いダイアリーになりそうなのでこんなところでいかがでしょうか。
とりあえず、指先が使えるようになったというのなら、キーボードぽちぽちタイピングしてる今にでも装着したいなと冷え性の僕が切に思えるグローブです。
内側もスルスルしていてコンフォート。

センキュー、ポストアーカイブファクション。
それではまた会いましょう
