幸甚なこと、そのようなもの
Mon.08.10.2026
こんにちは飯田匠(大)です。
「雨は神様の涙」なんて素敵な隠喩がありますが、かたや飯田(極小)は幼稚園のバス運転手さんによって おしっこ説 を植え付けられておりましてね。頭の中で雨が降るたびに自動再生されるその言葉を聞いては「そんなわけないだろ。」と固い拳を作るも、反駁する語彙や手立てのない当時。てことで一時休戦、諸力を振り絞って雨?おしっこ?を避けるには避けるなどして結果聞き分けの良い子供、みたいな感じでしたよ私は。どこか煮え切らないんでしょうね、マジレスさせてもらいますが「神様の涙」は〈天泣〉と言って、元来〈晴れなのに降る雨〉のことだとされてきました。テンキュウと読みます。天気雨、テンキウ、テンキュウってことかな、と思ったり。まあいいや。とりあえず、時雨に五月雨、通り雨、その全てが「涙」なんてほとほと虫のいい話なんだぜ。

どうしちゃったのでしょう。背景を見るからに外は晴れているのに、それこそ天泣よろしく突然、そしてひとしきり雨に穿たれたかのような奇しい光沢。やや下がる形でつく雨粒模様。でもなんかその気持ちすごいわかる。天泣は僕にとっても、〈避けなくて良いたったひとつの雨〉だったからね。

“CLASS” –CCGS10UNI A–
COLOR: IVORY, BLACK / SIZE: 1, 2, 3
¥49,500-(tax included)
Marsで紹介するのは初めてのCLASS。
Marsにあるもう一つのお店 Merry-Go-Round をキュレーションしていただいているのがCLASSデザイナー:堀切道之氏です。今更ながらですがご周知ください。
さて、《CCGS10UNI A》。
さっきまでの個人的な背景があってもなくてもいいトップスだな、と一目見て思っていたと考えます。光沢質かつ、先ほど「天泣」「天泣」と繰り返し申し上げたところではありますが、とはいえ酸性雨にでも溶かされたかのような穿孔の数々はあくまでそのような意匠ですよ、という紹介として。一旦幕引き。
照り返しに目を焼かれそうな天日の真下、彼がいいトップスを着ていることがわかる写真。[IVORY]。柔らかい色が衝撃的なディティールを緩和し、ゆったりした輪郭でもっていい全体というような、扱いやすそうなバランスがまず目に入りますね。袖先にもリブの設えがあり、メリハリのある印象。ものぐさなわれわれにとって都合よくも「これ一枚でいい」というタイプのトップス。
なお、背面に十字のシームが入っています。脇下両サイドにシームが入ると、そこが折れ線となって若干潰れたように薄っぺらになりますが、”リブ”と”背面のシーム”はその事態を忌避してのことだと思われます。「忌避」することでどうなるかというと、写真のような「ゆったり」膨らんだ輪郭になりますよね。これに対して「風を迎える機構だ」いうのはあまりにも牽強付会ですが、少なくともこの時節のトップスとして、その選択肢は拡張されたように思えます。幸甚なことです。
憶測で恐縮ですが、CLASSのはからいが色濃く反映されたのはやはり[BLACK]でしょう。ずぶ濡れの洋服が放つ固有の煌めきにも似たテクスチャは遠目からでこそ理解ができましょう。[IVORY]の写真と比較してややコンパクトになった感じがするのはこれが最小のサイズ1であるためです。着丈が縮むイメージ。
雨にまつわる奇怪な挿話にはじまったダイアリーですが、「奇怪」などでは全くなくわりあいど直球にかっこいい「たったひとつの」スウェットTEE、《CCGS10UNI A》です。心晴れやかに受け止めてみてください。ではまた。
