Ear Discoveries:”RARE GROOVE , Various Artists”
Fri.09.11.2026
こんにちは、禅野です。
前回のDiaryで約束した通り、今日はMarsに並ぶUpstairs Record&Barの店主・永友さんによって選りすぐられた、RARE GROOVEのレコードを紹介します。

V.A.-SUPERFUNK.
“1970年前後の宝石のようなFUNKを集めた最高のコンピシリーズの記念すべき第一弾!全曲オススメ!本盤でしか聴けない未発表発掘曲7曲も全て素晴らしい!全音楽ファンにオススメ!
(Upstairs Records キャプションより引用。以下イタリック表記は同様。)”

V.A.-SUPERFUNK3.
“1970年前後の宝石のようなFUNKチューンを集めた最高コンピレーション!全曲オススメですが強いてあげるなら最強のレディファンクなRENALDO DOMINO / LET ME COME WITHIN(B-3)や、ハープシコードファンクなCOUNT YATES / AT THE SOUL IN(C-3)あたり。
本盤でしか聴けない未発表発掘曲4曲も全て素晴らしいです!全音楽ファンにオススメ!”

V.A.-BAG OF GOODIES
“レアなだけではなく内容もともなった選曲で伝説と化した傑作コンピシリーズの記念すべき第1弾。今でもフロアを揺るがすDEEP FUNKの最高峰、B-2″IRONG LEG”など説明するのも面倒なくらいに全曲最高! 全てオリジナルを集めるとなると、かなりの労力と時間と数十万円の金がかかります。RAREGROOVE~DEEP FUNK好きなら一家に一枚級の名盤!”

V.A.-200% DYNAMITE!
“SOUL JAZZレーベルからのシリーズ第2弾!シリーズ中ででも一番人気で再発も出たほど(コレは、もちろんファーストプレス)。
内容的にも1番SOUL〜FUNK寄りでしょう。TENOR SAWの”RING THE ALARM”の様なクラシックから、BOAIS GARDNERの”MELTING POT”のカヴァーのようなレア盤、そしてマニアックな曲や珍盤も押さえた傑作コンピ!
レアグルーヴ&ファンキーレゲエの入門編としても最高!”

V.A.-SO BLUE SO FUNKY
BLUE NOTEレーベルでのハモンドオルガンの曲を集めた、ここに書き切れないくらい多くRAREGROOVE名曲が詰まった最強コンピ!
J.BROWNのカヴァー、Dラス”AIN’T IT FUNKY NOW”がMOODYMANのの”TECHNOLOGYSTLEMYVINYLまんま使い(弾き直し説も?)された1発!
その絶妙な使いっぷりにビビって下さい。オリジナルは当然鬼レア!

V.A.-BETWEEN OR BEYOND THE BLACK FOREST
“ドイツ最高のジャズレーベルMPSからRAREGROOVE的な音源を集めた素晴らしいコンピレーション!BORA ROKOVICの激RAREアルバム”ULTRA NATIVE”に収録の、イントロのDRUMBREAKから痺れるJAZZFUNK最高曲D-1″J.B.W,”など他のコンピにはあまり収録されていない名曲が多数でRARE GROOVE初心者から上級者まで広くオススメであります!”

V.A.-THE SPINNING WHEEL OF JAZZ 2
“東欧フュージョンの明らかに最高峰で、1981年作だとはとても思えないFUTURE JAZZな超名曲 DIMENZIO”BAMBA”収録のEURO JAZZ GROOVEを集めた傑作コンピレーション!
RAREGROOVE好きならズバリ全曲最高です!”

V.A.-MUSIQUE DESINNEE 01
“JAPAN ONLY GREAT COMPILATION ! ! !
神戸〜渋谷にあったディスクデシネさんが世界のRAREGROOVEをコンパイルした1枚。
特にオススメはRARE LIBRARYでめちゃくちゃファンキーなB-1と、個人的にもDJでプレイしまくっているエレガントファンク B-2″SWEET MARYLINE”(LAST EXIT)ですが
全曲素晴らしいコンピレーションです!願わくばシリーズ化して欲しかった、、、。”

V.A.-FREEDOM TIME
“LINDA TILLERYのA-2″FREEDOM TIME”, JOYCE COOLINGの”IT’S YOU” 、DORANDOのB-4″DIDN’T I”など、90年代後半に再評価された新世代RARE GROOVEの超クラシックが収録!ジャンルを超えたRAREGROOVE括りの素晴らしい選曲で感心させられます!ビギナーにオススメ!”
コンピレーション・アルバム・・・特定のテーマやジャンルに沿って、複数のアーティストの楽曲をひとつにまとめたアルバムのこと。
レコードやCDを扱うショップでは、アーティスト名の欄に「Compilation Album」や「Various Artists」、またはそれを略して「V.A.」と表記されています。
レコードコレクターの中には、このコンピレーション盤、いわゆる「コンピ」に否定的な人も一定数います。
楽曲はもちろん、収録する曲順までアーティスト自身が意図して作ったアルバムから、第三者が良いところだけを切り取って寄せ集めたもの。さらには音源もリプレス。音質もオリジナルには劣る。やっぱりオリジナル盤こそが正義。
そうですね!
僕もお金が余ったら、自宅に最高の音響システムを導入したリスニングルームでも作って、希少な音源をすべてオリジナル盤で嗜んでみようかなと思います。
……と、皮肉混じりなことを言ってしまいましたが、そりゃなんでもオリジナルの方がいろんな面でいいですよ。そりゃそうです。
一から楽曲を生み出した人以上に、それに込められた意図やムードを汲み取ることなんてできません。
製作者が正解ですから。
ただ、そんな僕の考えを少し変えてくれたコンピレーション・アルバムがあります。
「Carolina Funk: Funk 45s From The Atlantic Coast」。
Jazzman Recordsからリリースされた、ノースカロライナ州とサウスカロライナ州、いわゆる「カロライナ」で生まれたファンクを集めたコンピレーションです。
カロライナという土地は、隣接するテネシー州などと同じく、保守的で古い価値観が残る土地として知られているそうです。
また、大きな都市圏がなかったこともあり、そこで生まれた音楽の多くは、特定の町や小さなコミュニティの中に留まっていました。
バンドもレコードも、州境を越えて広まることはあまりなかった。
そんな土地で作られ、当時は広く知られることのなかったファンクを、Jazzman RecordsのJazzman Geraldと、ノースカロライナ在住のコレクターJason Perlmutterが掘り起こし、22曲を一枚にまとめたのがこの「Carolina Funk」です。
……と、ここまで書いておいてなんですが、僕はこのコンピを聴いたとき、カロライナの歴史や音楽事情なんて何も知りませんでした。
知らないアーティストばかり。
知らない曲ばかり。
それなのに、一枚通して聴くと妙にまとまっている。
今聴いてもいいコンピだな〜、と思います。
アーティスト自身のアルバムは、良くも悪くも曲ごとの世界観が大きく変わることがあります。
バラードがあったと思ったら、次はファンキーな曲が来たり、急に実験的な曲になったり。
それもアルバムを聴く面白さのひとつだと思います。
でも、「Carolina Funk」は少し違う。
収録されているのは、それぞれ別のアーティスト。
それなのに、どの曲も似たような温度感で繋がっていて、一枚を通して聴いても景色が大きく変わらない。
一曲ずつ聴けばそれぞれに個性があるのに、並べて聴くとちゃんとひとつのアルバムとして成立している。
知らないアーティストばかりなのに、なぜか聴きやすい。
良い曲を22曲集めただけなら、こんなふうにはならない。
一曲目から最後まで聴いていると、少しずつ景色が変わっていくようなストーリーも感じる。
それまではミュージシャンの意図に反して作られた商業的で勝手な編集物だと思っていましたが、選曲や曲順自体がひとつの表現であるようなコンピレーションアルバムも、れっきとした作品で、オリジナルなのかも?と思わされました。
もちろん、こういうコンピレーションアルバムの魅力は、今ではなかなか聴くことのできない希少な音源をまとめて聴けることにもあります。
「どうやって音楽を調べているんですか?」
と聞かれることがありますが、僕の場合、コンピレーション・アルバムから知ることがかなり多いです。
コンピに収録されているアーティストのアルバムを片っ端から聴いてみたり、そこから繋がりのあるレーベルを調べてみたり。
さらに、そのレーベルからリリースしていた別のアーティストを聴いてみたり。
そんなことを繰り返しながら、のんびり寄り道しています。
当時売れなかった音源のほとんどは、今聴いてもどハマりするわけではありません。
それでも、たまに「なんだこれ、めちゃくちゃいいじゃん」という大発見があります。
「やばい曲見つけた。これは自分しか知らないはず」
なんて浮かれながらネットで検索してみると、だいたい何かしらのコンピに収録されていたり、ディスクガイドに掲載されていたりする。
そんなオチも結構あります。
それでも、自分の耳と感性で曲を選んでいく時間は、やっぱり豊かなものだと思います。
そして、ある時は気にも留めなかった「あのハズレ曲」や、当時は何とも思わなかったアーティストが、何年か経ったあるタイミングですごく響くこともよくあります。
編集された良質な楽曲はもちろん素晴らしい。
でも、そうではない曲の引き出しをたくさん持っておくことも、音楽を聴き続ける上では案外大事なのかもしれません。
その時は何とも思わなかった曲が、いつかふと思い出されて、今の自分にちょうどよくハマる。
そういう寄り道も含めて、音楽を探していくのは面白いものです。
これらのコンピレーション・アルバムを入口に、未知の音楽に触れてみてください。
Marsでは、コンピレーションものを「V.A.(Various Artists)」として表記しています。
気になるものがあれば、ぜひ覗いてみてください。
