Don’t Panic because

Fri.05.16.2025

 

折り畳まれた状態の短辺と長辺丁度のスクエアなダンボールから出てきたのは、ハリのあるリジットシャンブレーで以て毅然とした佇まいのドレスシャツ。

 

既にMars にある古着のシャツとの間に画する一線を当意即妙に理解したように見えたこのシャツはCrunchy + Knit Bagや、King Kong Knitで馴染みのあるk8.0から、 Nocturnal(夜の、夜行性の) 。

 

 

商品名の中で丁寧に説明されていますが、Nocturnalは「夜行性の」という意味だそうです。

 

極端な意味での夜、つまり目に由来する凡ゆる機能が失効し、匂いを感じる力やその他に注”目”することを余儀なくされるような夜、今しがた鉄柵にぶつけた手を再度、ガードレイルだと判明したその鉄柵につけて冷そうとしただけなのに、その期待した冷度の不在がやっとの思いで我々を取り巻く時節を知らせてくるまでの顛末によっては既にどうにかなることはできないくらい、私が「夜」に飽和した状態を、ここで仮定します。

 

 

何も、何かが見えるようになったわけでは依然として、ありません。

 

ただ、見えている状態を甘く懐旧してしまうような自負があった。

 

 

またいつものように、ぶつかった。
今回は人だった。

 

「すみません。こんばんは。」

 

「(服の表面を撫でる)麻ほど指の皮膚がひっかからない。シャンブレーシャツだろう。
でも、それにしては皺が少なく厚みがある。(袖にかけて触っていく)?このカフスの長さは…?、硬いし…ドレスシャツ??」

 

・・・

 

 

それは暗闇の中で感覚するなら図りしれない数の憶測と、沈潜の雰囲気に満ちたシャツです。

 

しかし、「感覚」が明るみにおいて、服を見ることにおいて齎されるならその限りではありません。

 

Nocturnalは、見るものの腋窩にとび込んでくるような自然さで現れ、着るものに対しては蓋然的でしかあり得なかった明日を約束します。

 

(以下k8.0on HPより引用)

 

“Form

ラルフローレンやブルックスブラザーズのようにサラッとユルッと羽織れるドレス仕立てのカジュアルシャツ。伝統的なナポリのハンドメイド縫製が素敵なシャツブランドErrico Formicolaさんと製作。

 

Material

きめ細かいリジットシャンブレーを一度柔らかく製品洗いしています。リジッドデニムを時間をかけて穿き込むことで 愛着のある自分だけの一着に育てていくように、長い時間を共に過ごしたくなるシャツになれば嬉しいです。”

 

 

 

白昼堂々現れては我々に毅然と振る舞うこの美しいシャツの所在は冠された名の通り、たぶんまだ夜です。

でもパニクらないで(Don’t Panic)!

明けない夜はないだなんてみなさまご自身に毎夜言い聞かせていることでしょう。

わたくしは暗闇の中でこの度ある確信に至ったのです。

このリジットもその例外ではないという確信に!

 

“デジタルとアナログ、両方のノイズが漂う郊外の闇の中で、シャンブレーのシャツは光を吸い込むようにして、ほとんど色を失っていた。Hippoは、宇宙の誕生以来、膨大な情報を飲み込んできた空を見上げ、ただじっと佇んでいた。今日も夜空は、人間の時間感覚を遥かに超えて、ただそこに在り続けている。すると、Starlinkのアンテナが、夜の呼吸に同調しながら、獲物を逃さぬ獣のように、静かに、しかし着実に角度を変えて衛星を追い続けた。”

(k8.0on HP “Nocturnal(夜の、夜行性の)”ページより引用)

 

 

 

“K8.0on” – Nocturnal(夜の、夜行性の) –
¥38,500- (tax included)